2012年11月3日土曜日

トゥーランドットは・・・月のイメージ


ホール練習お疲れ様でした(^o^)/
心地よい(?!)疲労感を感じながらの帰り道、月を見上げた方はいらっしゃいますか?
少し欠け始めたお月さまでしたが、冷たく澄んだ空気の中で、冴え冴えと輝く美しい月でした。
その綺麗なお月さまに見とれながら、トゥーランドットに心惹かれるカラフの気持ちがちょっぴりわかる気がしました。
(あくまで「ちょっぴり」です。本当に命を懸けた恋なんて・・・想像しにくいです・・・)

明日の舞台で淡吹演劇部による「わかりやすいトゥーランドット解説」を披露しますが、今夜の月があまりに綺麗でトゥーランドットを連想してしまったので。
「なんとなくわかった気になるトゥーランドット」(ちこの偏見つき)、一足お先に紹介します。


<第一幕>
舞台は中国、月の出間近の北京の広場。
オープニングはどことなく重苦しくその北京の様子を表して始まります。
集まっている人々も気持ちが沈んでいるようです。
そこへ役人がやってきて、この国のトゥーランドット姫の花婿の条件を淡々と読み上げます。
・姫の出す3つの謎を解いた者が姫の花婿となる。
・もし解けなければ死刑とする。
・今夜、月の出と共に謎解きに失敗したペルシャの皇子を処刑する。
人々は何度も続く処刑に暗い気持ちになりながらも、処刑に立ち会うトゥーランドットを一目見たくて集まります。
その群衆の中、国を追われて放浪の身となったダッタンの王ティムールと奴隷のリューが現れます。
人ごみの中で倒れるティムールに駆け寄る若者、それは同じく放浪していたティムールの息子カラフでした。
三人は再会を喜びます。

(このあたり、処刑にうんざりしているはずの民衆が処刑に使う刀を砥ぐために「砥石を回せ」と声を合わせたり、罪もなく命を落とす皇子に「恩赦を!」と叫んだり・・・半ばお祭り騒ぎです。ヤケになっているのでしょうか・・・。)

そして月が昇り、トゥーランドットも現れ・・・処刑が行われました。
その場に立ち会ったカラフは、トゥーランドットの美しさに心を奪われ、求婚を決意します。
なだめる役人たち、止めるティムールとリュー。
ここで歌われるアリアがリューの「お聞きください、ご主人さま」とそれを受けてカラフが歌う「泣くな、リュー」です。
(このオペラを代表する心に響く美しいアリアですが、今回は演奏しません。)
しかしカラフの心は変わらず、名乗りを挙げてしまいます。

<第二幕>
今回の編曲には出てきませんが、二幕の最初は三人の大臣たち(ピン・ポン・パン)の掛け合いで始まります。
ここで3人は、処刑の続く今の生活の愚痴をこぼします。昔はよかった、姫の心が溶けて平和が戻ってくるといいな、と歌います。

場所は変わって宮殿の中、人々は皇帝を讃える歌を歌います。(皇帝が現れる時は必ずこの曲が流れます。テーマソング?)
そして皇帝がカラフの意思が変わらないことを確かめ、役人が再び前述の結婚の条件を読み上げます。
この時トゥーランドットがアリア「昔この宮殿で」を歌って、自分がこの残虐な行為を続けてきた理由を説明します。
かつてこの国のロウリン姫が異国の侵攻によって凌辱され命を落としたーその恨みを晴らしているのだ、と。
(ただ、このアリアも今回は演奏しません。高音続きで難しいアリアですが、メロディは単調?かな。歌がないと映えないのかも。)

いよいよ謎解きが始まります。
カラフは宣言通り3つの謎に見事答え、皇帝はカラフを讃え、人々は喜びの声を上げます。
しかし。
トゥーランドットは「私の身は誰にも捧げられない!」と駄々をこねます。
さすがに皇帝も「約束は守れ!」と突っぱねますが、駄々っ子は「イヤだ!」と取り乱します。
見兼ねた(?)カラフが助け船を出します。
「では私も謎を出そう。夜明けまでに私の名前を答えることができたら、私の命は差し上げましょう。」
(なぜそんなに強気なのでしょう・・・。)

<第三幕>
トゥーランドットからお触れが出されます。
「あの若者の名前がわかるまで、誰も寝てはならぬ。朝までにわからなければ皆を死罪(え?)にする。」
そのお触れを受けてカラフが歌います。(アリア「誰も寝てはならぬ。」)
 ♪誰も寝てはならぬのか
  姫よ、あなたも寝られぬ夜を過ごすのだ
  冷たい部屋の中で、震えながら愛と希望に輝く星を眺めているのだ
  誰も私の名前を知らない 
  だが日の光が眩しく照らす頃にそっと口づけて打ち明けよう
  口づけは沈黙を打ち破り
  貴方は私のものとなる (やっぱり強気です;)

人々は様々に誘惑し、必死にカラフから名前を聞き出そうとしますができません。(それはそうだろう。)
やがてティムールとリューが見つかり、捕らえられ、リューは拷問にかけられますが答えません。
それを見ていたトゥーランドットが「なぜ答えぬ?」と聞くと、リューは「それは愛の力です。」と答え、皇子の名前を守るために自害します。そして最後の力で、アリア「氷のような姫君の心も」を歌います。(これも今回演奏しません。)
皇子の愛に触れれば、きっと氷のような心も溶けるでしょう、と歌い果てます。

そのリューの心に動揺するトゥーランドットにカラフは愛を語り、口づけをします。
さらに動揺するトゥーランドットに、カラフはそっと自分の名前を告げます。「私の命は貴方に預けます。」
そこで陽が昇ります。(最後の方に出てくるファンファーレのあたり)
今回の曲では、この後また皇帝が現れるので例のテーマを演奏します。
そして皆が集まった宮殿でトゥーランドットが告げます。(Ob.で始まるメロディです。)
「この若者の名前がわかりました。それは・・・愛」
これを聞き、皆が喜びの歌を歌います。(また皇帝賛歌です。歌詞がちょっと違いますが、メロディはいっしょです。まぁテーマソングだしね。)
 ♪愛!それは、永遠の太陽、永遠の命
  世界に愛の光を!
   愛は永遠に私たちを照らし、永遠の幸せをもたらす。
   御身に栄光あれ!御身に栄光あれ!

って感じで =幕= です。


さて。
突っ込みどころはいろいろありますが。
それでもやっぱりこのプッチーニの高音域の繊細な美しいメロディには素直に感動します。聞き惚れます。
ただ。自分が演奏するとなると・・・う~ん、緊張で心が痛い・・・。

物語の私なりの解釈(疑問)はまた後日、余裕があったら聞いてください。

昔から人々は折にふれて月を愛でてきました。
月のように美しいトゥーランドットに心惹かれ、太陽のような明るさと強さと暖かさで民衆の心を掴み、更には月の心までも手に入れたカラフ。

明日はどんな演奏になるのかなぁ・・・

☆Cla.ちこ☆

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